原価管理のご提案で悩み解決
現状
- 製品ごとの製造原価が原料のみで計算されている。
- 労務費・外注加工費・経費が製品ごとの製造原価に入っていない。
問題点
- 製品ごとの製造原価が把握できず、製品ごとに儲かっている/儲かっていないが把握できない。
支援内容
- 労務費を製造ごとの製造原価に反映する。
- 経費を製品ごとの製造原価に反映する。
対応策
科目の把握
まずはどのような科目が存在するか損益計算書で確認します。
No | 直接費/間接費 | 費用 | 内容 | 費用・科目 |
1 | 直接費 | 労務費 | 製造に直接関わる労務費用 | 製造部門 |
2 | 間接費 | 労務費 | 製造共通で発生する労務費用 | 製造管理部門、技術部門 |
3 | 直接費 | 経費 | 製造に直接関わる材料費・労務費以外の費用 | 水道光熱費、燃料費 |
4 | 間接費 | 経費 | 製造共通で発生する材料費・労務費以外の費用 | 減価償却費、賃借料、修繕費、消耗品費、リース料 |
按分根拠
科目をどのような内容で按分するか明確にします。例として下記記載いたします。
No | 費用・科目 | 按分項目 | 按分内容 |
1 | 直接労務費 ※1 | 作業時間 | 製造実績ごとにかかった時間×人数を記録し、部門ごとの費用を按分する |
2 | 間接労務費 | 稼働時間 | 製造実績ごとの製造リードタイム(機械稼働時間)を記録し、部門ごとの費用を按分する |
3 | 水道光熱費 ※1 | 各種使用量 | 製造実績ごとの水道使用量・電気使用量・ガス使用量を記録し、発生した費用を按分する |
4 | 燃料費 ※1 | 燃料使用量 | 製造実績ごとの燃料使用量を記録し、発生した費用を按分する |
5 | 減価償却費 | 稼働時間 | 間接労務費と同じ按分方法 |
6 | 賃借料 | 稼働時間 | 間接労務費と同じ按分方法 |
7 | 修繕費 | 稼働時間 | 間接労務費と同じ按分方法 |
8 | 消耗品費 | 稼働時間 | 間接労務費と同じ按分方法 |
9 | リース料 | 稼働時間 | 間接労務費と同じ按分方法 |
※1:直接費(直接労務費、水道光熱費、燃料費)は変動費の要素が強いため、単価×使用量で算出しても良いが、財務諸表との数値が合わなくなるため、財務諸表で算定した各費用を使用量で按分している。
留意点
- 按分項目は取得できる数値で収集してください。収集が難しい数値ですと、製造現場が混乱します。
- 可変値の方が正確性は高いですが、毎回変動する数値も収集に時間がかかるため、変動値にするか、固定値にするか実現性を考慮いただき、収集してください。(例:固定された設備機器は面積比で按分するのもありです。面積は頻繁に変わることが無いため。)
結果
- 製造原価算出の方向性を示すことができました。
悔やまれる点
- 1回のヒアリング、1回の工場見学でしたので実現性の検討に至りませんでした。
- 按分項目の収集を一緒に行って、現状との違いを明示したかったです。
- 製造実績表をシステム化提案しているので、按分項目を盛り込んだ製造実績表の仕組み作りに関わりたかったです。
製造原価について同じような課題を抱えている企業様は、ぜひご相談ください。