2024年度中小企業診断士2次試験の振り返り(事例Ⅲ)
令和6年 中小企業診断士2次試験が終わり、受験生支援も参加しているということで、私も解いてみました。正解がない試験であり、他の公開されている解答を参考にしているわけではないで、気になるような点がございましたら、コメントいただけますと幸いです。今後の参考にしていただければと思います。
第1問
C社の強み(80字)
最終問題で利用できる要素を抽出します。
- X社で、工作機械を設置する顧客企業の依頼を受けて、搬送機器を含む工場設備レイアウト設計を担当し、工場の生産性を高めることを顧客に提案してきた。(第4段落)
- 据付後のメンテナンスについては顧客企業が行うが、X社の場合はC社の営業部が担当している。(第16段落)
①取引先の機械特性に応じた特注品を含む搬送機器の設計力、製造技術力②工場の生産性を高められる設備レイアウト提案力③据付後のメンテナンスが可能
第2問
受注量が増加傾向である中、製造部で工程改善を進め生産能力の向上を図る検討を進めている。どのように工程改善を進めるべきかの助言(100字)
製造部での工程改善(生産管理は第3問)
受注量増加に対応するための工程改善を行い、生産能力を向上する。
- 製造部は、生産管理課、資材管理課、機械加工課、製缶課、組立課で構成(第10段落)
- 機械加工課は駆動部及び搬送帯の加工を内製化している。
- 製缶課はフレームの加工を内製化している。
- 組立課はその他の外注部品やモーターなどの購入品を加えた最終の組立てを行っている。(第11段落)
- 生産工程では、製缶工程(製缶課)の残業や休日出勤が多い。(第15段落)
①外注先含めた製造部内で製缶課を中心にネック工程を分析する②製缶課の要員の見直し③内外策区分を見直して負荷を軽減する④作業の標準化を図り、ITを利用して業務の効率化を図りマニュアル化し生産性を向上する。
第3問
受注量の増加や納期短縮要請などの影響で製造部の工程管理が混乱している。工程管理業務の改善の進め方の助言(100字)
生産管理での業務改善
- 受注番号は、製造部では製造番号として使われる。(第8段落)
- 生産管理課で必要とする各製造工程の工数計画を立て、顧客要求納期を基準として製造番号ごとの大日程計画を策定し、製造部各課に調達指示、生産指示を出す。(第12段落)
- 機械加工課、製缶課、組立課の製造工程では、生産管理課で作成される大日程計画に準じて製造を行うが、詳細の進捗管理など生産統制は製造部長以下、製造部各課長が参加して週1改修案つに開催される生産会議で調整される。
- 生産会議では、各製造番号の作業進捗状況の確認、各製造番号の材料や外注品の納品状況の確認などを行い、次週1週間の各工程の週次日程計画表を作成する。週次日程計画表の各作業の工数見積もりは、製造部各課長の経験を基に作成されている。
- 顧客からの設計変更や納期変更などが生じた場合など、生産会議には必要に応じて設計担当者が参加し、変更内容を周知して作業順序などの確認を行う。(第13段落)
- 近年受注量が増加し、顧客から納期の短縮を要請されることもあり、第日程計画や週次日程計画などの工程管理の混乱が生じている。
- 製造部ではIT利用も計りながらその対応を検討している。(第14段落)
- 生産工程では、製缶工程(製造課)の残業や休日出勤が多く、納期対応のため週次日程計画表の変更が常態化している。(第15段落)
①受注順に立案している生産計画を納期順に変更する②生産管理課が生産会議に参加し、外注の状況や設計変更、納期変更、週次を含めた日程計画を立案する③ITを導入し情報を元にした計画を立案し共有化を図る。
第4問
顧客企業との計画金額は、最近の材料費や人件費の高騰に対応した見直しは行っているものの、コスト高に対応できていない。顧客企業と価格交渉を行うための事前対策の助言(120字)
現在の価格設定の確認
- 引き合いがあると、顧客企業が作成した製品仕様書および製品図面を確認して、見積書をさくせいし、顧客企業との価格交渉を経て計画をする。
- 見積金額は、過去に製造した搬送機器の契約金額を参考に、営業部員が材料費と社内加工費、その他の経費を合計して算出し、最終契約金額も含め営業部長が決裁している。
- 契約金額は現状のコスト高には対応できていない。(第8段落)
- 部品構成表はデジタルデータとして、製造部での材料と外注品の発注、在庫管理に活用されている。(第9段落)
①過去の契約金額を参考にせずに、実際の材料費や人件費を基準として製造原価を算出②製造原価は、デジタルデータ内の構成表を元に、設計部と製造部が搬送機ごとに算出③営業は、製造原価を元に見積書を作成。以上で、適切なコスト算出と利益の確保を行う。
第5問
C社社長は、小規模の工場施設や物流施設の新設や更新を計画している企業と直接計画し、自社規格の製品を設計、製造することで事業を拡大したいと考えている。どのように推進するべきかの助言(120字)
小規模の工場施設や物流施設の新設や更新を計画している企業との取引なので、一貫して受注したいのかなと思いました。
X社との依存はリスクだと考えていたのかなと推測いたしました。
- X社以外の工作機械メーカーや物流機器メーカーの特注品受託生産も獲得するようになった。(第5段落)
- 現在の取引先企業数は、工作機械メーカー5社、物流機器メーカー3社であり、そのうちX社からの受注金額が多く全体の6割を超えている。(第6段落)
- X社では、見込み生産の搬送機器を中国企業に生産委託していたが、近年現地生産コストが上昇し、さらにコロナ禍以降納品が不安提案状態になったため、生産を国内に移管したことから、C社の受注量は近年さらに増加傾向にある。(第7段落)
- 製造完了後は製造部で最終検査を行い、顧客企業がしている場所に納品し、据付は顧客企業が行う。据付後のメンテナンスについては顧客企業が行うが、X社の場合はC社の営業部が担当している。(第16段落)
①C社の設備レイアウト提案力や設計部の過去の経験を活かして、設計を内製化し、据付後のメンテナンスもあわせて行うことで、特注品を含む搬送機器の一貫体制を構築し、高付加価値化を図る。②社長のノウハウを営業に教育し、顧客ニーズ収集に活用する。