2024年度中小企業診断士2次試験の振り返り(事例Ⅱ)
令和6年 中小企業診断士2次試験が終わり、受験生支援も参加しているということで、私も解いてみました。正解がない試験であるのと今回の事例Ⅱは全くもって自信がないため、予備校も参考に、解答を作成してみました。気になるような点がございましたら、コメントいただけますと幸いです。今後の参考にしていただければと思います。
第1問
B社の現状のSWOT分析(40字)
第2問以降の問で利用するSWOTを抽出します。
個人的には第2問以降を解いて、利用したSWOT項目を抽出して、第1問で解答するので、最後に解くようにしております。
強み
- オリジナル商品企画力(第5段落)
- 3代目のファッション業界の高い経験(第9段落)
- オンライン動画制作力(第10段落)
- 産地問屋としてBtoBの顧客が存在する。店舗で消費者向けに販路がある。(第5段落)
- 店舗保有(第11段落)
①3代目のファッション業界の経験②オリジナル商品企画力③関係者とのネットワーク
弱み
- 新鮮味が無い陶磁器を扱っている。(第8段落)
- 販路が狭い中、対策が立てられていない。(第7段落)
①販路が狭い中、対策が立てられていない②価格に見合った陶磁器の展開ができていない。
機会
- クリエイター志望の移住者が増加傾向(第4段落)
- 陶磁器祭りの存在(第7段落)
- 動画公開後の問い合わせの増加(第10段落)
①クリエイター志望の移住者が増加傾向②動画を通して顧客に働きかける選択肢の増加
脅威
- 一窯元当たりの陶工の減少、川上の陶土屋や型屋、生地屋の減少(第4段落)
- 高齢化と人口減少が進む社会では、陶磁器の新規需要も買い替え需要も拡大が見込めない。B社の経営状態も1990年代半ば以降、徐々に低迷し始め、2000年代からは悪化の一途をたどった。(第6段落)
- 産地問屋の減少(第6段落)
①窯元や陶工の減少②高齢化、人口減少での陶磁器の新規需要・買い替え需要の低下
第2問
ニーズ:ふるさと納税の返礼品としてX焼を活用したい。
課題:返礼品の中にX焼は存在するが、全国の返礼品の中で埋もれている。
→返礼品の中で目立ち、市とX焼のファンを増やす。
制約:ブランド価値構造のうち、消費者にもたらす感覚価値と観念価値を意識する。
提案内容:返礼品の企画(100字)
感覚価値、観念価値って何?ということで、まずは調べてみました。
今年受験された方はたいへん苦労したのかなと思いました。私なら即パニック状態です。
そうは言っても解かなければいけないので、現状のX焼の特徴、どのようになっていることが理想なのかを与件から探して、返礼品の企画を提案し、ファンを増やしていくことを検討します。
感覚価値:感覚価値とは、製品やサービスが消費者に与える感覚的な満足や喜びを指します。これは視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚などの五感に訴える要素です。
AppleのiPhone | スターバックスのコーヒー | |
視覚 | 洗練されたデザインと美しいディスプレイ | おしゃれな店内装飾と美しいラテアート |
触覚 | 高品質な素材と滑らかな触り心地 | |
聴覚 | クリアで豊かな音質 | |
嗅覚 | 新製品を開封したときの独特の香り | 店内に漂う新鮮なコーヒーの香り |
味覚 | 豊かな風味とバラエティ豊かなメニュー |
- 3代目がここで使われるオリジナルの食器の担当を任されて企画し、地元の窯元に生産を委託したところ、その食器はホテルの経営者や宿泊客から高い評価を得た。3代目は、ホテルの料理長との綿密な打ち合わせを重ね、盛り付け映えや写真映えを考え抜き、季節感や月ごとに代わる料理内容に合わせた色や形の食器を提案し続けた。(第9段落)
- 家庭料理でも見違えるほどおいしそうに見える食器への盛り付け方を紹介する動画を作った。すると思いの外、再生回数が伸び、コロナ禍で仮定に関心を向けるようになった若者と見られる視聴者や海外の人々から、驚きや感動を表すコメントが書き込まれた。(第10段落)
- 2本目は、X市の郷土料理とX焼きを紹介する動画にした。X市には、じっくり炙った食材を地元の発酵調味料と混ぜ合わせて食べる郷土料理がある。(第10段落)
- 動画公開後のB社には、旅先で食べたこの味わいを自宅で再現したいという視聴者からの問い合わせが相次いだ。(第10段落)
観念価値:観念価値とは、製品やサービスが消費者に与える意味や解釈、ブランドの歴史やストーリーに基づく価値を指します。これは消費者の価値観やライフスタイルに深く関わる要素です。
Nikeのスニーカー | ルイ・ヴィトンのバッグ | |
ブランドの歴史 | 長年にわたるスポーツ界での成功と革新 | 160年以上の歴史を持つ高級ブランド |
ストーリー | スポーツ選手の成功物語や挑戦の精神 | 旅行鞄から始まったブランドの進化と伝統 |
価値観 | 挑戦することの重要性や自己実現の追求 | 高級感、ステータス、洗練されたライフスタイル |
- この地域の陶磁器は、芸術品としてよりも日用品として生産されてきた歴史が長く、地域の名前を冠した「X焼」という呼称で流通してきた。(第2段落)
- X焼の生産は分業制によって行われる。(第3段落)
- 多くの窯元が担うX焼は図柄や色彩面で決まりを設けず、新しい作風を受け入れる土壌がある。(第4段落)
X市の郷土料理とX焼をセットにした返礼品を企画する。旅先の思い出を自宅で再現できることで感覚価値を向上させ、X焼のブランドの歴史や価値観を遡及することで観念価値を向上させ、ブランド価値を高める。
第3問
ニーズ:消費者にいろいろな窯元の陶磁器を手に取れる機会を作りたい。
課題:食器愛好家の家の収納スペースを利用しない陶磁器の提供方法
提案内容:新規事業(100字)
在庫を持たないような陶磁器の提案ということで、サブスクとかレンタルしか思いつかなかったです。
- B社は皿や茶碗など陶磁器の卸売業である。(第1段落)
- 百貨店やインテリアショップなど小売業のバイヤーや法人などの買い手からの注文を取りまとめて窯元に伝えたり、問屋オリジナル商品を企画して窯元に生産委託することである。(第5段落)
- 季節感や月ごとに変わる料理内容に合わせた色や形の食器を提案し続けた。(第9段落)
- ホームページをリニューアルし、自社が扱うX焼を販売するECサイトを開設することにした。(第11段落)
食器愛好家に対しサブスクやレンタルでの陶磁器展開を提案する。関係者のネットワーク、季節感や月ごとに変わる料理に合わせた陶磁器を展開できる企画力を活かし、多くの陶磁器に触れる機会を図り顧客満足度向上する。
第4問
課題:顧客との会話を通して売上増加を図る。
ニーズ:X市の地元で開く店舗とECサイトの両方を利用する顧客を増やしたい。
制約:具体的に
提案内容:顧客を増やす施策(150字)
ECサイトの魅力、店舗来店の魅力を遡及したプロモーション展開が必要だと思いました。もちろん今実施していることを解答しても答えにならないので、少しアレンジが必要です。
- X市にはクリエイター志望の移住者が窯元を開くケースが見られる。(第4段落)
- X市には、こうした新規参入の窯元と歴史的に徐々に規模を縮小してきた窯元が混在している。(第4段落)
- 1本目は、家庭料理でも見違えるほどおいしそうに見える食器への盛り付け方を紹介する動画を作った。すると思いの外、再生回数が伸び、コロナ禍で仮定に関心を向けるようになった若者と見られる視聴者や海外の人々から、驚きや感動を表すコメントが書き込まれた。(第10段落)
- 2本目は、X市の郷土料理とX焼きを紹介する動画にした。X市には、じっくり炙った食材を地元の発酵調味料と混ぜ合わせて食べる郷土料理がある。(第10段落)
- 動画公開後のB社には、旅先で食べたこの味わいを自宅で再現したいという視聴者からの問い合わせが相次いだ。(第10段落)
- 古びた自社店舗を建て直し、明るく開放感のあるスタイリッシュな空間に切り替えたほか、自社の扱うX焼きで軽食を提供するカフェベースも併設した。(第11段落)
- 自社ホームページには会社概要と主要取引金融機関や大口取引先の記載さえあれば良いと考えていた。(第11段落)
施策はオンラインを利用して、X焼を使いX市の郷土料理を学べる体験教室を展開し、顧客との会話を楽しむ。また開放感のあるスタイリッシュに切り替えた自社店舗やカフェベースの動画をホームページに掲載し、顧客の認知度を高める。来店時に窯元の作業場の見学イベントを展開し、交流促進で、顧客の体験価値を高める。